IPF

IPFについて

特発性肺線維症(IPF)は、肺胞の壁(間質)にコラーゲン等の線維が沈着することによって肺の柔軟性が損なわれ、呼吸不全に陥る病気です。
線維化は徐々に進行し、個人差があるため経過の予測は困難ですが、短期間に急速に悪化すること(急性増悪)もあります。
50歳以上の男性に多く、自覚症状が出てからの生存期間は平均で3~5年程度と言われ、特効薬が存在しない難病です。

線維化のメカニズム

今のところ原因は不明ですが、肺胞上皮細胞が損傷と修復を繰り返す過程で生じる異常(過剰修復)が主な病因と考えられています。肺胞の修復反応で特に重要な役割を果たすのがTGF-β1とコラーゲンです。コラーゲンは細胞の足場となって組織や臓器の形を支える線維状のタンパク質で、損傷した組織の修復過程では傷口を塞ぐ補修材としても使われます。TGF-β1は損傷修復の引き金となる分子で、コラーゲンの発現を誘導しますが、TGF-β1が過剰に発現するとコラーゲンなどの線維タンパク質も過剰に産生され(過剰修復)、肺の線維化を促進します。

IPFの治療の現状

近年、IPFに対する新たな治療薬が開発され、症状の進行を抑制する効果が報告されていますが、完全に治癒させる効果はありません。
また消化管障害(食欲不振や胃不快感、下痢など)や肝機能障害、光線過敏症や血栓閉塞症などの副作用があるため継続的な投薬には注意が必要で、現時点でも特発性肺線維症は治療が困難な状況が続いています。
そのため現在でも、より効果が高く副作用が少ない新薬を求めて、世界各国で研究・開発が行われています。

IPFに対するボナックのアプローチ

ボナックでは、東レ株式会社と共同でTGF-β1のメッセンジャーRNAを標的とした新しい核酸医薬品(TRK-250)の開発を進めています。
これまでに肺特異的にヒトTGF-β1を過剰発現させた「肺線維症を自然発症するモデルマウス」を用いた動物試験を行い、TRK-250が肺線維症の進行を抑制すること、また顕著な副作用が見られないことが確認されました。
TRK-250は吸入により肺への局所投与を行うため薬剤が全身に拡がることはなく、またTRK-250の大部分が生体と同じ成分で構成されているため、副作用が非常に少ない薬になると期待されています。

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