用語解説

あ行

あーるえぬえーあいRNAi RNA interferenceの略、RNA干渉のこと。
あーるえぬえーかんしょうRNA干渉 二本鎖RNAと相補的な塩基配列を持つmRNAが分解される現象。この現象を利用して人工的に二本鎖RNAを導入することにより、任意の遺伝子の発現を抑制することができる。
あいぴーえすさいぼうiPS細胞 体細胞へ数種類の遺伝子を導入することにより、ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞に分化できる分化万能性と、分裂増殖を経てもそれを維持できる自己複製能を持たせた細胞のこと。
あいぴーえふIPF IPFは、idiopathic pulmonary fibrosis(特発性肺線維症)の略。特発性肺線維症を参照。
あにーりんぐアニーリング 一本鎖の相補的な配列をもつDNAあるいはRNAの鎖同士が二本鎖を形成すること。
あぷたまーアプタマー 一本鎖RNA、DNAなどが作る立体構造によって機能が発生するもののうち、抗体と同様な結合特異性をもつ、標的タンパク質と特異的に結合する能力をもった核酸分子等のこと。
あぽとーしすアポトーシス 多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺すなわちプログラムされた細胞死のこと。
あみだいとアミダイト DNAやRNAの合成に用いられる原料となる化学物質のこと。
あみのさんアミノ酸 アミン(アンモニア NH3 の水素原子を炭化水素基で置換した形の化合物の総称)とカルボン酸(カルボキシル基をもつ有機化合物の総称)を有する有機分子のこと。生体内では様々なアミノ酸が存在する。
あーるえぬえーRNA ribonucleic acidの略。リボ核酸。リボヌクレオシドがホスホジエステル結合でつながった核酸。基本的に核酸塩基としてアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U) を有する。RNAポリメラーゼによりDNAを鋳型にして転写(合成)される。生体内での挙動や構造により、伝令RNA(メッセンジャーRNA、mRNA)、運搬RNA(トランスファーRNA、tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、ノンコーディングRNA(ncRNA)、リボザイム、二重鎖RNA(dsRNA)などさまざまな分類がなされる。
あんちせんすアンチセンス 20〜30塩基の一本鎖核酸であり、標的となるmRNAと二本鎖構造を形成し、細胞内で作用する。
えいちぴーわん-がんまHP1-γ ヘテロクロマチンタンパク質1γ(HP1γ)は肺がんのターゲットの1つと考えられる。
えーぴーあいAPI Active Pharmaceutical Ingredientの略。医薬品の原料となる、医薬品有効成分のこと。
えすあいあーるえぬえーsiRNA small interfering RNAの略。21-23塩基対から成る低分子二本鎖RNAのこと。合成された21、22塩基の短いRNAを細胞に導入することで、特定の遺伝子の発現を抑制する。
えすじーあーるえぬえーsgRNA single-guide RNAの略。single-guide RNA(sgRNA)と二本鎖DNA切断酵素Cas9を細胞に導入することで、sgRNAのガイド領域と相補的塩基配列を持つDNA鎖を配列特異的に切断する。
えむあいあーるえぬえーmiRNA microRNAのこと。
えんき塩基 核酸などの構成成分である、窒素を含む環状の有機化合物のこと。アデニン・グアニン・シトシン・チミン・ウラシルなどがある。
おふたーげっとこうかオフターゲット効果 本来の標的とは異なる標的に対する効果のこと。

か行

かく 真核生物の細胞を構成する細胞小器官のひとつ。細胞の遺伝情報の保存と伝達を行い、ほぼすべての細胞に存在する。
かくさん核酸 リボ核酸(RNA)とデオキシリボ核酸(DNA)の総称で、塩基と糖、リン酸からなるヌクレオチドがホスホジエステル結合で連なった生体高分子である。糖の部分がリボースであるものがRNA、リボースの2'位の水酸基が水素基に置換された2'-デオキシリボースであるものがDNAである。すべての生物の細胞内に存在し、蛋白質生合成および生物の遺伝現象に関与している重要な物質である。DNAは細胞核に局在し、遺伝子の本体である。
かくさんいやく核酸医薬 DNAやRNAといった遺伝情報を司る物質(核酸)を利用した医薬品の総称。
かくまく角膜 目を構成する層状の組織の一つであり透明。最も外界に近い部分に位置する。
かくまくへんせいしょう角膜変性症 角膜に濁りが生じることによって視覚が障害される疾患。原因は様々だが、他の病気の合併症として発症したり、遺伝による先天性の場合もある。角膜の濁りは年齢とともに進行して濁りが融合しながら大きくなり、重度になると視力が低下する。
かれいおうはんへんせいしょう加齢黄斑変性症 網膜の中心部(黄斑)で細胞死(萎縮型)や血管新生(滲出型)が起き、視覚障害や失明を引き起こす疾患。欧米では成人の失明原因の第1位、日本でも失明原因の第4位を占め、50歳以上の人の1%が発症する。詳細な原因は不明だが、加齢に伴って紫外線や酸化ストレスなどによる損傷が蓄積し、細胞死や血管新生が起きると考えられている。
くりすぱー/きゃすCRISPR/Cas 2013年に開発された次世代ゲノム編集技術。single-guide RNA(sgRNA)と二本鎖DNA切断酵素Cas9を細胞に導入することで、sgRNAのガイド領域と相補的塩基配列を持つDNA鎖を配列特異的に切断する。
げのむゲノム 遺伝情報の全体・総体。
げのむへんしゅうゲノム編集 部位特異的なヌクレアーゼを利用して、思い通りに標的遺伝子を改変する技術である。人工制限酵素を用いるZFN、TALENや、最近注目を集めているCRISPR/Casがある。
こうたい抗体 動物が体内に侵入した異物を中和、除去するために免疫系が作る液性の免疫の主体で、血液中を循環しており、例えばウィルスなど外部からの異物に強固に結合し、不活性化する。
こんじゅげーとかくさんコンジュゲート核酸 脂質、ペプチド、糖などの機能性分子を結合させた核酸のことで、核酸に別の機能を付与することができる。

さ行

さいせいいりょう再生医療 神経や骨などを人工的に作り、組織や臓器を修復する治療法。
しーえむしーCMC Chemistry, Manufacturing and Controlの略。医薬品の原薬・製剤の化学、製造及び分析に関する業務全般を指す。
じーえむぴーGMP good manufacturing practiceの略。医薬品の製造および品質管理に関する基準のこと。
しぜんめんえきおうとう自然免疫応答 自然免疫は元から備わっている免疫で、非特異的免疫ともいわれる。病原体の侵入や障害による刺激により反応する。
しぴーじーおりごCpGオリゴ CpGモチーフを有するDNA配列のこと。
すぷらいしんぐスプライシング DNAから転写されたmRNA前駆体の不要の部分を取り除くこと。
せんしょくたい染色体 遺伝情報の発現と伝達を担う生体物質。塩基性の色素でよく染色されることから名づけられた。
せんとらるどぐまセントラルドグマ 遺伝情報は「DNA→(転写)→mRNA→(翻訳)→タンパク質」の順に伝達される、という、分子生物学の基本的な考え方。フランシス・クリックが1958年に提唱した。

た行

たんぱくしつタンパク質 アミノ酸が鎖状に連結してできた高分子化合物であり、生物の重要な構成成分のひとつ。構成するアミノ酸の数や種類、また結合の順序によって種類や機能が異なる。
でぃーえぬえーDNA deoxyribonucleic acidの略。デオキシリボ核酸。地球上の多くの生物において遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質である。DNA はデオキシリボース(五炭糖)とリン酸、塩基 から構成される核酸である。塩基はプリン塩基であるアデニン(A)とグアニン(G)、ピリミジン塩基であるシトシン(C)とチミン(T)の四種類ある。
てぃーじーえふべーたーわんTGF-β1 transforming growth factor-β1の略。様々な細胞で産生されるサイトカイン。繊維化、免疫能、発癌など様々な疾患に関係していると考えられている。
でぃーでぃーえすDDS Drug Delivery Systemの略。ドラッグデリバリーシステム参照。
ていぶんしいやく低分子医薬 分子量が小さい医薬品のことであり、構造が小さな分子であるがゆえに、体に吸収されやすい、組織移行性がよいという特徴がある。現在の医薬品の主流。
でこいデコイ 二本鎖のDNAであり、転写因子などの核酸認識タンパク質を標的とし、タンパク質が認識する核酸配列を模倣し結合を阻害する。
とうにょうびょうせいもうまくしょう糖尿病性網膜症 糖尿病の慢性合併症のうち、眼球に発症する疾患。眼球の奥にある眼底にある網膜の欠陥がもろくなったり、コブが出来たり、血管が詰まったりすることにより、失明につながる。
とくはつせいはいせんいしょう特発性肺線維症 肺胞の壁(間質)にコラーゲン等の繊維が沈着することによって肺の柔軟性が損なわれ、呼吸不全に陥る疾患。
どらっぐでりばりーしすてむドラッグデリバリーシステム Drug Delivery System、薬物送達システムのこと。治療が必要な部位(患部)だけに適量の薬剤を送り届ける技術。

な行

なっしゅNASH Non-alcoholic steatohepatitisの略。非アルコール性脂肪性肝炎を参照。

は行

はいほう肺胞 細かく枝分かれした気管支の末端のブドウの房のようになった袋状の部分。この内部の酸素と、壁に分布する毛細血管との間でガス交換が行われる。
ひあるこーるせいしぼうせいかんえん非アルコール性脂肪性肝炎 飲酒によらず肝臓に脂肪が蓄積することで起こる肝炎。
ぶどうまくえんぶどう膜炎 眼球の中心部分を包み込むように広がる「ぶどう膜(眼球の内側にある脈絡膜〈みゃくらくまく〉と毛様体〈もうようたい〉、虹彩〈こうさい〉の三つをまとめて呼ぶ総称)」に炎症が起こる疾患。
ぷろりんプロリン アミノ酸の一つ。
ぺぷちどペプチド 二個以上のアミノ酸がペプチド結合により縮合してできた化合物の総称。

ま行

まいくろあーるえぬえーmicroRNA microRNA(miRNA)とは、全長が18~25塩基ほどの短鎖RNAであり、細胞内で転写されたmRNAに塩基配列依存的に結合し、翻訳(タンパク質合成)を抑制する。
めっせんじゃーあーるえぬえーmRNA メッセンジャーRNAの略称。ゲノムDNAのうろタンパク質のアミノ酸配列情報が書き込まれた領域を写し取った一本鎖RNAで、細胞質中のリボソームでタンパク質へと翻訳される。
もうまく網膜 眼球を覆う最も内側の膜。目の最も重要な部分で、外界の光を受けて像を結ぶ。

ら行

りすくRISC RNA-induced silencing complexの略。RNA干渉においてmRNAの切断や翻訳抑制を直接的に担うタンパク質複合体で、siRNAやmiRNAは、RISCを標的mRNAまで誘導するガイドとして働く。
りぼざいむリボザイム 酵素活性をもつRNAの総称。RNA切断、RNA鎖の連結、ペプチド結合形成など、様々な活性をもつリボザイムが開発されている。
りぽそーむリボソーム mRNAの塩基配列情報をアミノ酸配列に翻訳し、タンパク質を合成する。タンパク質とRNAから成る複合体。
りんしょうしけん臨床試験 新薬を開発するうえで、人間で有効性と安全性を調べる試験。

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